本年11/7(日)岐阜市民会館で開催予定の「長良川おどり」で24年ぶりに母と「
吉原雀」を
やるつもりだったが、他流とバッティングしてしまったらしく、先着順で先方に譲ることに
なってしまった。
替わりに何をやるか二人でアレコレ考えた末、母が一人で「座敷舞道成寺」を舞うことになり、
後見は私が引き受けることになった。
座敷舞道成寺は、長唄「京鹿子娘道成寺」から道行、花笠踊り、所化のカラミや踊り、押戻し
など歌舞伎舞踊の舞台演出を省いて、文字どおり座敷で舞えるように再構成したものだ。
舞手によって抜き差しが多少あったりするが、基本的には謡ガカリ(花の外には松ばかり~)
の後、すぐに(恋の手習い)に飛んで、(山尽くし~去るほどに)まで約20分の舞台になる。
地唄舞と同じように燭台を置き、後見は舞台上の下手奥に座って控える。
華やかというより厳かな雰囲気の舞台演出で、初めて見る人には新鮮に映ると思う。
山村流では、流祖振り付けの山尽くし以降に、四世宗家が前半を補作したのだという。
山尽くしは難しい扇子取りなどもあって技巧的に難しく、ここだけを取り出して座敷で舞う
こともある。達者な舞手が思う存分自分の技術を見せられる箇所だ。
しかし最も難しいのは「恋の手習い」であろう。
本番まで残り4か月、今回は絵になる後見を目指す。