山村若三のブログ。メモ代わりに気が向いたときに思いついたことを記録します。
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ある人と話をしていて久しぶりにこの言葉を聞いた。
憧れの先生について、そっくりそのまま同じようにやろうとしても、仮に奥義をすっかり
伝承されたとしても、まったく同じにはならない。
見た目も性格も考え方も異なれば、どう頑張っても同じになるはずがない。
「蛙の子は蛙」という。だが「トンビが鷹を生む」という言葉もある。
先祖に名人がいたからといって、その子孫の誰かが名人になるとは限らない。
血筋は関係ないのだ。
親や祖父母から受け継げるのは「ジバン、カンバン、カバン」だけ。
肝心の芸の才能は受け継がれない。
「この世界に片足突っ込んだら、上手になるしかないんやで」
行く先に迷ったら思い出す言葉。
年齢を重ねるとともに時間の流れを早く感じるようになるが、今年は忙しかったせいか、
「やっと12月か・・」という感じ。
今年の正月から待ちわびていた12月。
先月長唄のおさらい会で「鷺娘」を唄ったところで今年の主な行事は終了。
すべてのイベントが終わったところでゆっくりできると思ったが、暮れは慌ただしい。
ブログも放ったらかし。
来年はすでに5月と6月の舞台が決まり、気持ちを切り替え、仕事の合間を縫って稽古に
励もうと思う一方、何もせずダラダラと一日過ごしたい誘惑に駆られる。
今日ネットニュースを見ていたら誰か(たしか芸能人)がインタビューの中で、
「パニックになるので先のことは考えない」というようなことを言っていた。
忙しい中で先のことを考えるとウンザリして、本当に何もやりたくなくなる。
だから目先のことしか考えないようにする。休みのことは考えない。
それでも、大晦日と正月の二日間だけはゆっくりと過ごせるよう、今から準備しよう。
昼間に時間がないときは立ち食いそば屋でよくうどんを食べる。
特段美味しいわけではないが、そばよりうどんを食べたくなることが多い。
中央区に多い「ゆで太郎」と「小諸そば」では、うどんの出汁の色が違うことに
最近気がついた。
ゆで太郎のきつねうどん 350円
小諸そばのきつねうどん 380円
器の色が違うのでわかりにくいが、ゆで太郎の出汁は濃い茶色で、小諸そばの出汁は
薄く透き通っている。当然味も違う。ちなみにそばの出汁は両店とも濃い茶色だ。
つまりうどんの出汁は、ゆで太郎=関東風、小諸そば=関西風 ということになる。
小諸そばには月夜ばかしとか一風変わったメニューがあって、関西風うどんと言い、
そのこだわりは個人的に好きなのだが、立ち食いそばの業界トップはゆで太郎である。
特定の人々に受けるこだわりは時に自己満足に陥りやすい。
立ち食いそばだけじゃない。芸にもそういうところがある。
王道を歩むべし。
それはそれとして、うどんは関西風の出汁が好きだから今後もうどんを食べるときは
小諸そばへ行く。
歌舞伎役者のように1か月近く毎日同じ演目で舞台に立つことができれば随分上手くなる
のにと思う。
踊りの場合はほとんど一発勝負なので、本番の舞台では緊張を伴う。
緊張すると身体に力が入って筋肉が固くなり、普段すんなりできる動作がやり辛くなる。
身体のバランスが悪くなってギクシャクした感じになる。
これを克服するには緊張した状態で舞台に立つ経験を増やすことと、普段の稽古で自分の
技術レベルをできるだけ引き上げておく必要がある。
稽古で100できるところを舞台で60しかできないなら、稽古で120までできるようにする。
そうすると本番では、悪くても70点のパフォーマンスが保証される。
完璧を求めない。悪くても70点、上手くいけば90点。これで良しとする。
晴れの舞台だからと、リキんではいけない。上手くやろうとしないこと。
無欲に、ただ稽古どおりにやるだけでよい。
これができたら誰も悩みませんね。