山村若三のブログ。メモ代わりに気が向いたときに思いついたことを記録します。
十代目三津五郎が「踊りの愉しみ」という本の中で踊りのポイントについていくつか
書いていて、その中に「基本的ないい形を覚える」というのがある。
日舞でも邦楽でも、いったん自分の先生を決めたらその先生をお手本にして、先生の
形を真似ることで少しずつ基本を身につけていく。
書道教室で先生が書いたお手本を左に並べて、それとそっくりに書けるよう何度も練習
するのと同じだ。
踊りで先生に立って稽古してもらえるのが3回だとしたら、その3回のうちにまず形を
目に焼きつけてしまう。いい形を確認するチャンスは3回しかないから、この最初の
3回にとにかく集中する。
手順を覚えるのは先生が座ってからでもやってもらえるから後回しで構わない。
ところが10年稽古しているのに手順を覚えることばかりに一生懸命で、稽古中に手本を
ほとんど見ない人が結構いるのだ。
もし舞踊譜というものがあるなら(山村流にはありませんが)、こういう人は譜を買って
自分で稽古すれば足りることになる。
これでは何年やっても上手くならない。
まず基本的ないい形を覚えて、自分の頭の中でイメージできるようになること。
イメージができたら、それを自分で再現できるようにして先生に見てもらう。
直されたら修正して、それができるようになったらまた見てもらう。
これを繰り返すだけ。