連日世界卓球と全仏オープンを観ている。
同じ選手を何度も観ていると、日によって相手によってコンディションが
変化するのがテレビの画面を通じてもよくわかる。
特に卓球やテニスのような一対一の対戦競技では、選手のメンタルが
ダイレクトに試合の流れを左右する。緊張して身体が固くなれば力んで
いつものストロークができなくなる。それで失点を重ねるとますます身体が
固くなり、アタマも冷静な判断ができなくなって、結局自分らしいプレーが
まったくできないまま負けてしまう。
一流選手がすごいのは、周囲が絶体絶命と思うようなピンチのときにも、
強靭な精神力でもって自分を奮い立たせ、あきらめず、冷静に状況分析して、
最後まで集中力を切らさず、ここぞというところでベストショットを放ち
結果を出すところだ。
テニスは試合中のコーチングが禁止されているから、選手にとって試合は
真に孤独な戦いの場である。
今回の錦織選手は苦しい場面で雨に助けられた。
おもいがけない休憩時間を与えられ本来の自分を取り戻したように見える。
十分に実力があって、何としても勝ちたいともがき苦しみ必死に戦う者には
天が味方することもある。
それでも、これが彼の実力の勝利であることは誰も疑わない。