緊急事態宣言が発令されて10日、東京をはじめ日本全国の企業や店舗では在宅勤務、時短、
業務縮小、休業を強いられている。それでも通勤電車にはそこそこの人が乗っていて、
他人と2メートルの間隔を確保するのは不可能な状態だ。
ほとんどの人はマスクをしているが、他人に接触するのはやはり怖い。
こんな状態でも近所の居酒屋の何軒かは営業していて、多くの客で賑わう駅前の店の前を
通り過ぎながら、「これはえらいことになるな」と思った。
このように危機感のない国民が一定数いる限り、人との接触を全体として8割減らすことは
できない。
都市封鎖すれば1か月で終息したかもしれないものを(こればかりは誰にもわからない)、
自主規制に委ねたことで、感染はゆっくりと、少しずつ、着実に増えていき、今から
数か月あるいはそれ以上、今の状態が続く可能性があると思った。
経済復興は欧米や他のアジアの国々に大きく遅れを取り、日本は大変な状態に陥る。
そんな予感がした。
そして、今から9年前、東日本大震災で多くの死者が出たときに石原慎太郎が「天罰」と
言ったのを思い出した。
「アメリカのアイデンティティーは自由。フランスは自由と博愛と平等。日本はそんなものは
ない。我欲だよ。。物欲、金銭欲。」
「日本のアイデンティティーは我欲。この津波をうまく利用して我欲を1回洗い落とす
必要がある。やっぱり天罰だと思う」
後に撤回、謝罪されたこの発言を聞いたとき、自分は彼の気持ちがとてもよくわかる気がした。居酒屋にたむろする人々を見てそれを思い出した。
日本と日本人はアイデンティティーを失って久しいが、自分は今のこの困難な時間に天の声に
耳を傾け、こころざしを新たにしようと思った。