昨日六郎先生のゆかた会に参加し、小鍛冶と鞍馬山を唄い、操三番叟、供奴、
娘道成寺を弾かせてもらった。
その後、田原町の香港楼で打ち上げ、二軒目でワインも飲んで結局終電に
間に合わずタクシーで帰宅したが、とても楽しい一日を過ごした。
それはともかく、三味線について今後の自分の課題がはっきりした点でも
今回は収穫があった。
これまでもっぱら右手と左手の技術にフォーカスして練習してきたが、
本番でいい演奏をするには、演奏にまつわるいろんな行為、たとえば
調子を正確に合わせる、勘所を正確に押さえる、狂い始めた調子をすばやく修正
する、もっというと、あいさつする、着物を着る、三味線をつなぐ、糸をかける
といった行為が日常生活の一部として、特に意識しなくとも自然にできるように
なることがとても重要なのだ。
これらのことが、歯を磨いたり、ご飯を食べたり、靴を履いて歩いたり
するのと同じように当たり前に普通にできることで気持ちに余裕が生まれ、
演奏に集中できるのだ。
「調子三年、勘八年」と言うが、実際には素人は十年経ってもちゃんとできない
人が多い。だからおさらい会では上調子や替手が入った途端、不協和音の嵐になる。
ここがプロとの一番の違い。
速弾きの練習もいいが、正確にチューニングして、演奏中それを維持できるように
なるのが秋に向けての私の課題です。
そうそう、あと暗譜も引き続き大きな課題ですね。
ひととおり覚えたら何も見ないで弾き唄いしてみる、曲の途中の任意の場所から
弾いてみる、1曲とおして口三味線で唄ってみる。
これを何度もやろうと思います。
どれくらいの効果がでるか、11月が楽しみです。