山村若三のブログ。メモ代わりに気が向いたときに思いついたことを記録します。
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芸の良し悪しがわかるようになるには、ちゃんとした先生について稽古し、本物に数多く
触れる必要がある。それでも違いがわかるようになるには随分と時間がかかる。
自分が理解できないことは決してできるようにならないから、何としても良し悪しがわかる
ようにならねばならぬ。
若い頃は怖いもの知らずで体力がありカラダも思い通りに動くので、飛んだり跳ねたり、
あるいは早く弾いたりと、派手な動きに心を奪われがちだ。
自信満々で周りからチヤホヤされようものなら、「自分はできる」とすっかり勘違いして、
やがて常の稽古が疎かになる。通り一遍の技術は数年で習得できるが、「もうわかった」と
言ってそこで稽古をやめてしまうと本当の良し悪しはわからないままだ。
若い頃のVTRを今観ると、ヘタなのにどこか得意気で本当に恥ずかしくなる。
歳を重ね本当の良し悪しがわかるようになると、余計なものが少しずつそぎ落とされ、
芸はいたってシンプルでわかりやすいものになっていく。
根気よく、あきらめず、気長に、長い年月稽古を続けた人だけに見える世界がある。
若い頃に何でもやっておいた方がよいという意味が、この歳になってよくわかる。