全日本フィギュアを観ていると、どの選手も、特に最終グループに登場するトップ選手は
全員、一般人の想像を絶する過酷な練習を積んできたしてきたんだろうと思う。
いくら好きなことでも厳しい練習が毎日続けば辞めたくなるだろうし、若くして燃え尽きて
しまうこともある。
ハードな練習に耐える者のうち、自分を律して目標を見失わず、闘争心を持続し、身体能力に
恵まれたほんの一握りの者だけが長く王座に君臨する。虎の穴の地獄のトレーニングを平気な
顔でこなすタイガーマスクのような心身の強さが必要なのだ。
いわゆる「シゴキ」が禁止され、ハラスメントに厳しい今の時代、誰も好んで他人の尻を
叩いてくれない。強くなりたければ自らの意思で地獄の扉を開けるしかない。
それでもスポーツの場合は、科学的なトレーニングが導入された結果、才能の有無に依存せず
全体として技術的な底上げがなされている。
芸能の場合はどうだろうか。
昔ながらの稽古がただ緩くなって、技術レベルは下がり、本物を知る人はただただ
昭和の名人の芸を懐かしむばかりだ。