山村若三のブログ。メモ代わりに気が向いたときに思いついたことを記録します。
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ただいまコメントを受けつけておりません。
長唄の譜に青柳譜というのがあって、研精会譜と違い三本の糸を分けて表記して
あるので大変読みやすい。
ところが、いつからか知らないが印刷をやめてしまったらしく、買えるのはお店の
在庫限りだそうです。印刷再開の話はないらしい。
商売にならないからやめる、というのは致し方ないが、何ともやりきれない。
で、どうしても手元に置いておきたいものは、あちこち在庫を探して見つける
たびに買うようにしている。
研譜でいいじゃん、って言われればまあそれまでなんですが、お気に入りのものが
なくなるのはちょっとツライ。
音源もそうですね。
昔の名人の演奏を記録したレコードのほとんどはCDになることなく廃盤になって
しまったので、今はもう聞きたくても聞けません。
着物や調度品なども昔のものは本物の職人の技術と手間がかかっているから、同じ
ものはもう手に入りません。あったとしてもすごーく高い。
今まで使っていたものが手に入らなくなれば、別のもので代用します。
使い始めは抵抗があったものもすぐに慣れて平気になってしまったりします。
人間大抵のことにはすぐに慣れます。
年齢とは関係なく、ものへのこだわりが全然なくて新しいもの大好き、という
人がいるけど、保守的な私にはとても羨ましい。
今使ってるものがなくなっても死ぬわけじゃなし、実用的に新しいもので間に合えば
古いものの保存にこだわる必要はないのかもしれない。
芸は必ずしもそういうわけにいきませんが。
ところで古き良きものを残すには、その製作過程が正確に伝承されないといけない。
書物に残すだけでなく「口伝」でしかるべき人に伝えられないと伝承されない。
そこが非常に難しい。
だから、誰がどんなに頑張っても今あるものはいずれ必ずなくなります。
諸行無常なり。。