細部が気になり出したら、芸が一皮むける予兆かもしれない。
芸の腕前を初級とか中級とかいう言葉で評価するのはあまり意味ないが、初心者から
スタートして、数年の稽古を経て初級者を卒業すると、いわゆる中級者になる。
長年稽古を続けた人は、上手下手は関係なく誰もが中級者ということになる。
キャリアが長いから何人も後輩がいて、おさらい会では堂々と振る舞い、外に向かって
「わたし、○○をやっております」と宣言できる状況にある。
だからと言って、上手というわけではない。
「中級」とは、一つのことを長く続けてきたことに対する称号みたいなものだ。
中級になると名取になる人もいて、多くの人はここが芸のゴールになる。
潜在能力の高い人は、ここから細部が気になり始める。
自分で次の目標を立てて稽古を始める。
遊芸の域には程遠いとしても、少し余裕が出てきた状態。
ここから稽古が本当に楽しくなる。